これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです

こんにちは。アニメ『名探偵コナン』が放送30周年を迎えるということで、それを記念した「視聴者参加型のオリジナルアニメ」が制作・放送されるというニュースがありました。

この「視聴者参加型」という試みは非常に面白いですね。20年ほど前にも、リアルタイムで視聴者がクイズに答えて正解者の人数が表示されるようなテレビ番組がありましたが、今回のアニメがどういった形式で視聴者を巻き込むのか、僕自身とても興味を持っています。

「一方通行」から「双方向・参加型」へのエンタメの進化

これまで、テレビアニメや映画、音楽といったエンターテインメントの多くは、「作り手が完成された作品を提供し、観客はそれを受け取るだけ」という「一方通行」の構造(トップダウン型)が主流でした。

僕自身、ゲームを遊んだりアニメを見たりと、その恩恵を享受して育ってきましたし、自分が音楽ライブをやる際も基本的にはその構図です。これ自体が悪いわけでは決してありません。

しかし、インターネットの台頭以降、この構図は明らかに変わりつつあります。ニコニコ動画のような「視聴者が動画にコメントをつけて一緒に盛り上がる」文化から始まり、最近ではヒプノシスマイクのような「ファンの投票で結末が変わる展開」や、リアル脱出ゲーム、マーダーミステリー、TRPGといった「自分が主体となって物語に関わる」インタラクティブ(双方向・参加型)なエンターテインメントがますます支持を集めています。

音楽におけるインタラクティブ性の模索

僕は京都の大学で授業をしているのですが、その中でも「これからのエンターテインメントは双方向になっていく」という話をずっとしてきました。しかし、2030年が目前に迫る今、ただ「どうなるんでしょうね」と傍観者として語っているだけではダメだと思い、自分自身でその「答え」を作りに行こうと模索しています。

実は昨年のハロウィンに、NFTの仕組みを使って「自分が持っているNFT(デジタルデータ)に合わせて、聴ける音楽が変化する」というプロジェクト(Black Cat Halloween)をやりました。これも、リスナーが能動的に音楽に関わるという新しい体験への一つのアプローチです。

そして今日も、3時間近くがっつりと、複数の企業さんと一緒に「能動的に関われる新しい音楽エンターテインメント」についてのミーティングをしてきました。まだ理想論の部分も大きく、どこまで実現できるかは分かりません。僕が考えていること自体がそのまま業界のスタンダードになることはないかもしれませんが、僕たちのような人間が泥臭くもがいて実験を繰り返すことで、その「もがいている姿」を見た誰かが次の時代を作り、エンターテインメントが進化していくのだと信じています。

テレビ局側も、これまでのやり方に固執せず、今回のコナンのような「視聴者参加型」という新しい試みにチャレンジし始めています。時代に即したエンターテインメントの形をみんなで模索していくのは、とてもポジティブでワクワクする流れですね。