こんにちは。今回は、皆さんも毎日使っているであろう交通系ICカード「Suica(スイカ)」の話題です。
20年以上にわたってSuicaの顔だったあのペンギンが変わるということで、ネット上でも「なぜ変える必要があるんだ」「やっぱりオリジナルのペンギンの方がいいのでは」という声が多く挙がっています。僕自身も、最初に3つの候補を見たときは正直「ぴんとこないな」と思ってしまいました。おそらく、多くの人が同じような感覚を持ったのではないでしょうか。
変化に対する人間の本能的な「抵抗」
なぜ僕たちは、新しいキャラクターに対して違和感を抱いてしまうのでしょうか。それは、人間が本能的に持っている「変化に対する抵抗(現状維持バイアス)」が大きく影響していると思います。
別にあのペンギンに対して「もう飽きた」「デザインが嫌いだ」と強い不満を持っていた人なんて、世の中にほとんどいなかったはずです。不満がない(マイナスではない)状態から新しいものへ変えようとすると、どうしても「前の方が良かった」という声が大きくなります。
企業のロゴの変更、長年親しまれたアニメの声優の交代(ドラえもんなど)の時もそうでした。最初は「慣れない」「違和感がある」とネガティブな反応が出ますが、5年、10年と経つうちにいつの間にかそれが当たり前になり、「今のほうがしっくりくる」となるのが世の常です。
変化を決断することの難しさとパワー
歴史のあるものを一新し、新しい風を吹き込むという決断には、途方もないパワーと覚悟が必要です。JR東日本の担当者の方々も、「絶対に変えない方がいいという声が出る」ことは百も承知の上で、Suicaの次の時代に向けた新しいイメージ戦略として、あえてこの変化に踏み切ったのだと思います。
今回の3つの候補の中に、もし最初から「元のペンギン」が選択肢として混ざっていて「Suica導入前にどれがいいか選んでください」と言われていたら、おそらく僕たちはどのキャラクターにも違和感を持たなかったはずです。20年以上の歴史という「重み」があるからこそ、新しいものを受け入れるのに時間とパワーがかかるのです。
このキャラクター変更が、長期的に見て成功だったと言われるのかどうかは、数年後にならなければ分かりません。しかし、前向きに変化しようとしている企業のチャレンジに対して、あまり文句ばかり言うのも野暮ですよね。
11月には、皆さんの投票で選ばれた新しいキャラクターが正式に決定するそうです(投票は9月下旬まで行われています)。新しいSuicaの顔がどのようなスタートを切るのか、そして僕たちがいつそのキャラクターに「慣れる」のか、楽しみに見守っていきたいと思います。